2018年09月22日

栗ちゃんとの思い出

秋と言えば栗の季節です。
もうかれこれ6年ほど前の話になります。栗ちゃんという桐蔭を卒業した予備校生がいました。彼女は足が不自由でスパブの4階までやっとの思いで上がってきてくれました。夏の暑い時期になると汗だくになってふうふう言いながら上がってきたのを覚えています。ほとんど休まずに来てくれました。
そんな秋のある日、台風で予備校が休みになってしまいました。その日は誰も来ていなかったのですが、栗ちゃんだけが登校していました。親が迎えに来るまでの間、時間があったので彼女はスパブで昼ご飯を食べていくということでした。
教室に入って来て「一緒に昼ご飯を食べませんか」ということでした。意外な一言に驚きました。いつもの自分の席に栗ちゃんが座り、そして私も黒板の前にある机に腰かけてのお昼ご飯でした。
普段の授業のときと同じく二人とも座っている位置は変わらないのですが、鉛筆のかわりにお箸を持っています。不思議な光景です。少し遠い場所から時々目を合わせては短い、奇妙な食事会が進んでいきました。そのとき何を話したのか覚えていませんが、心に残る昼食でした。
23年この仕事をしていますが、初めての経験でした。この先も、こういうことは恐らくないでしょう。
彼女は卒業して一度スパブに来てくれました。その時も不自由な足を引きずって4階まで上がって来てくれました。それ以来彼女とは会っていません。「人間はみんな平等だ。という人がいるけど私は信じません」彼女の言葉が今も心に刻み込まれています。
今、何をしているのか、元気にしているのか、台風の季節になると栗ちゃんのことを私は思い出します。
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